■これと言って、胸を張って言える”強み”がない
昔からなんとなくできることはあっても、
周りと比べて「自分にはこれ!」と言えるものがありませんでした。
習い事は友達に誘われて始めることが多く、
始めればそれなりに出来てはいましたが、3~4年くらいで新しい物に興味が移ってしまい、
長く続いたものもほとんどありません。
色々なワークショップや本を読んで過去を書き出してみても、「継続したものがない自分」が浮き彫りになる事のほうが多く、自分で「これだ!」と思えるものは見つかりませんでした。
■会社の外で私はどう見えるのだろうか?
会社の中では、役職があり、役割があります。
やりたいと思ってもそれは自分の役割ではなかったり、より良いと思う方法が試せないことがあります。
また、当時は、給料をもらうのであれば、その業務を行うことは「やって当たり前」「できて当たり前」のこととも思っていました。
そんな思いで仕事をしていてモヤモヤしていた時、ふと頭に浮かんだのが、「今の場所以外での自分」への興味でした。
「今の会社以外の場所に居たら、自分は何ができるんだろう、何をやりたいと思うんだろう」
「誰も私の過去も、性格も知らないところに行ったら、どう見られるだろう」
とはいえ、留学や引っ越しはお金的にも現実的ではありませんでした。
しかし、ちょうど今の会社に転職し、
”時間”は自分でコントロールできる環境ではあったのです。
そこで考えたのが、”プロボノ”への参加でした。
■自分を知らない人たちとの出会いを求めて”プロボノ”への参加
プロボノとは、ボランティアの一つです。
社会人が仕事で得た知識やスキルを使い、無償で行う社会貢献活動の事です。
私が参加したプロボノは、
20~60代と幅広い年代の社会人が集まり、
自分がサポートしたいと思った団体の課題解決のため3ヵ月の活動を行うものでした。
1日など単発なボランティアでは、
お互いの事を深く見る時間がなく、
作業のみで終わってしまう気がしたので、
なるべくまとまった期間で活動のゴールがあるものを選びました。
■会社では絶対にやらない自分の行動
コロナ前だったので、
週1回程度団体の方とプロボノ参加の社会人チームで対面でミーティングをしていました。
もちろん、初めてあったばかりの人の集まりでは、なかなか思い通りに話し合いも進みません。
参加人数は全員で10名前後。
人数も多く、話の流れもどんどん本題からそれていきます。
何か言いたそうな顔をしながらも、発言ができていない人もいます。
私はミーティングの途中で
「ホワイトボードに皆の意見をまとめて記録してもよいか」
とチームに提案してみました。
話し合いの流れがバラバラだったので、
どんな意見が出ていて、何について話しているか
メンバー全員の目に見る形で共有することが必要だと思いました。
…正直、会社だったら絶対やらない立ち回りです。
普段会社のミーティングであれば上司がいます。
会社の中では、下っ端の自分が動いても、きっと何も変わらないだろうなとあきらめていたところもありました。
しかし、このプロボノは自分がどう思うか、どう動くか、その結果どう見られるかを試すために参加した場所です。
「出しゃばりと思われたらどうしよう…」
「必要ないと言われたらどうしよう…」
提案した時はそんな思いでいっぱいでしたが、
結果、メンバーは快く提案を受け入れてくれました。
そこからは、ホワイトボードに出た意見を書き、
意見の関連性を図で書いたり、
対立意見の共通点と相違点の洗い出し、
意見をもってそうな人に話題を振り、
全員が納得しているかを確認しながらミーティングを進めていきました。
■フィードバックで気づいた自分の強み
そのミーティングが終わった後、
自分の頭の中はすっきりした気持ちでいっぱいでした。
「ファシリテーション上手だね」
「ミーティングのの流れだけじゃなくて、メンバーが納得できるように動けているのはすごいと思う」
会議室を出てエレベーターに向かう途中、何人かのメンバーがそう言ってくれました。
…はて?何のことか?
最初はそんな感想でした。
どうやら、自分が良いと思って動いたことは、
ミーティングの流れをスムーズに進めていたようです。
自分が必要だと思い、やりたいと思い、当たり前にやったことが、周りから見たら、”すごい”ことでした。
思い返すと、大学時代や営業時代の制作チームとの連携の時にも同じような事をやっていました。
私はもっと劇的な「これが私の強み!」的なものを想像していたのですが、
そんな強烈な何かではなく、
違和感なく自分の中にある当たり前なものが強みなのかもしれないと思いました。
今、オンラインサロンのグループセッションで
他のメンバーからのフィードバックからも
少しずつ自分の強み、特徴を発見することができています。
これからもいろいろな場で、
色々な人との出会いの中で、
すこしずつ自分の強みを見つけていければなと思います。